FF8 日本語版ではフリーズする”守屋デバッグルーム”について

2021年10月17日FF8

デバッグルームとは

ゲーム開発中に様々なフラグやストーリー、アイテム等のデバッグ用に開発者が用意する部屋及びシステムの事ですね。

カービィのエアライドみたいなテキストタイプのデバッグルームや

ゼルダの伝説風のタクト、マリオサンシャイン等3Dのフィールドにオブジェクトが設置されているタイプもありますね。

多くのゲームは基本的にリリース時に削除されていますが、上記の用に残っている場合もあり、大体チートコードを使用してのアクセスになりますが、

一部のゲームでは実機でアクセス出来る方法が見つかっていますね。

最近でもムジュラの仮面やゼノギアス等特殊な方法でアクセスする方法が見つかっていますね。

FF8はマップが複数あり(開発者名毎)、人物に話しかけてデバッグメニューを使用する形になりますね。

開発者毎に特徴のあるセリフだったり、人物、配置が現れていますね。

守屋デバッグルーム

上記画像の左下に守屋という方が作られたデバッグルームがありますが、なぜか日本版ではアクセスするとフリーズしてしまいます。

逆に何故か日本版以外では修正され入ることが可能になっています。

今回はプログラムを修正してどのようなデバッグルームなのか確認してみます。

下記が守屋デバッグルームのDirector(マップ入場時に読み込まれる)のスクリプトです。

01 LBL    0
02 CLEAR
03 HALT    0
04 PSHN_L   0
05 ADDMEMBER
06 PSHN_L   0
~~~
44 RET    8


3行目の"HALT 0“を削除すると完了です。

これだけ?と思いますが、これだけでした。

ちなみに"HALT“は現在実行中のスクリプトとこれから実行されるスクリプトを全て終了するコマンドになります。

Directorにスクリプトが設定されていないマップは他にもありますが、その場合、各キャラクターのマップ入場時に読み込まれるスクリプトでキャラの位置等設定されています。

今回は何も表示できず設定されていない状態で終了されてしまった為、フリーズしてしまったと思われます。

上記は念願の守屋デバッグルーム入場時のテキスト

今回はPC版を使用しています。

ちなみにリマスター版も同様の修正でアクセスできます。

右から突っ込んでいる女子生徒と、左上で突っ立っている女子生徒2名のマップになります。

右の女子生徒

右の女子生徒から紹介しますが、こちらの女子生徒も修正が必要となっており、今現在は話しかける事が出来ません。

以下が女子生徒のプログラムです。

01 LBL          19
02 PSHN_L   1
03 PSHN_L   4
04 REQSW   0
05 PSHN_L      0
06 MUSICSTOP
07 PSHN_L      1
08 KEYSIGHNCHANGE
09 RET       8

この状態では話しかけると音楽が止まるだけになっていますが、日本版以外だと、パーティー入れ替えのチュートリアルが発生します。

修正する方法は赤字のプログラムを挿入するだけです。

01 LBL       19
02 PSHN_L      8
03 TUTO
04 PSHN_L      1
05 PSHN_L      4
06 REQSW       0
07 PSHN_L      0
08 MUSICSTOP
09 PSHN_L      1
10 KEYSIGHNCHANGE
11 RET       8

これで話しかけるとパーティー入れ替えのチュートリアルが始まり、チュートリアル後に音楽は止まります。

左の女子生徒

こちらはちゃんとしたデバッグメニューになります。

おんがくからその他まで7種類のメニューが選べますが、一部のメニューは意味が無いものとなっています。

おんがく

その名の通り様々なBGMを聞くことができます。

しっかりと0から97まで用意されていますが、一部無音(?)だったり正常に鳴っているのか分からないと思います。

いつか全部まとめてみたいです。

ストリーミング

こちらはEyes On Meを流すことができます。

Disc3以外ではフリーズします。後ほど紹介する他のコマンドでDisc3に変更したうえでムービーを流す処理をしているのですけど、こちらはその処理がされていません。

厳密にBGMの処理と違うプログラムのせいでしょうか。

ムービー

こちらは選択したNoのムービーを見ることができます。

ですがここで要注意!

FF8は現在のDiscによって見れるムービーが決まっています。

これは容量が決まっているPS版だからという訳では無く、PC版、リマスター版でも同様の処理となっています。

Disc1は0~30、Disc2は0~33、Disc3は0~31、Disc4は0~6この範囲以外を選択するとフリーズします。

このテキストの選択肢は109までありますが明らかに過剰と思いましたが、全てのムービーの数は104個あるみたいですので、元々は現在のDisc関係なしに見る事が出来たのですかね。

というか後ほど紹介する処理を組み込めば見れたはずなのに・・・

せんとう

こちらは選択した瞬間に戦闘が始まります。

戦闘内容はドールの背景にガルバディア兵が一人だけです。

察しの通り、ドールでのSeeD実地試験時の戦闘が始まります。

厳密には、75:ドール中央広場Aに入った時に襲い掛かってくるガルバディア兵との戦闘です。

話しかける度、上記の戦闘が繰り返されます。

というのも、特に戦闘シーンを選べる訳でもなく、選択した瞬間に戦闘になります。

戦闘シーンは一時変数0に保存している値を使用するのですが、何の選択肢を選択したのかに一時変数0を使用している為、おんがく:0、ストリーミング:1、ムービー:2、せんとう:3になるので、同じ戦闘しか試すことが出来ません。

そもそも、他のデバッグルームで好きに戦闘シーンを選択できる為、必要のないコマンドになっていますね。

ディスク交換

こちらはディスクを交換します。

PS実機じゃないとほとんど意味のないコマンドですけども、こちらはさらに意味がわからなく、現在のDisc番号を“2"に変更します。

選べる訳でもなく、Disc2になります。

ただただそれだけで、ストーリーを進める事も可能です。

ただ、ムービーの項で話した通り、ムービーがディスク毎に管理されている為、例えばDisc3にワープし、ムービーのシーンまで進めた場合、Disc2のムービーが流れます。

カードゲーム

こちらは選択するとカードゲームが始まります。

こちらをカード未所持の状態で選択すると・・・

ハウリザードからワイルドフックまでの30種類が1枚ずつ手に入るのでフリーズしたりバグが発生することはありません。

また、通常4枚以下の時はしっかりと分岐処理でカードゲームが行えないようになっています。

この人はレアカードも所持しておらず、使用カードもレベル1,2なので特徴は無いです。

その他

こちらはいくつか選べるコマンドがあります。

“FH21"はF.H.駅前広場に行く事ができます。

ただ行くだけでフラグ調整等何もないので、Disc1で行く事も可能ですし、Disc4で行く事もできます。

“エンディング"はそのままエンディングが流れて終わりです。

“Disc〇ムービーループ"ですが、これは個人的に気になっていた機能で、Disc毎のムービーを順番に無限にループするだけの機能です。

解除する方法は無いですが、作業用に流しておきたいですね。

また、FF8の多くのムービーにはBGMが付いていないので少し寂しいです。

こちらのコマンドにはそれぞれのDiscに変更するスクリプトもある為、Disc番号を気にする必要が無いです。

“内部コードをDisc〇へ変更"はそのコマンドの通り現在のDiscを変更します。

先程のDisc変更はDisc2にするのみでしたが、こちらは好きなDiscに変更できます。

以上が通常日本版では入れない守屋デバッグルームの全貌になります。

音楽やムービーに関しては、様々な機能が体験できるものの、思ったより自由は聞かず、元のマップにも戻れない為、少し使いにくい感じがしますね。

また、上記の様な解析や攻略サイトを作成していますのでぜひ時間がある時に見てください。

https://squall-squall.sakura.ne.jp/ff8/

よろしくお願いいたします。